@article{oai:kurume.repo.nii.ac.jp:00000366, author = {井上, 圭二 and Inoue, Keiji}, journal = {久留米大学文学部紀要. 情報社会学科編, "Bulletin of Faculty of Literature, Kurume University. Information Sociology"}, month = {Jun}, note = {今日,情報化が急速な勢いで進行している.しかも,情報化のうねりは,世界の多くの地域を席巻しようとしている.それ故,今日の社会の問題状況を見ていくには,情報化現象を中心に据えた検討が必要になってきている.世界の労働者の労働条件や生活の向上,および労働者の人権などを守ることをめざして国際的な政策や計画を策定・実施することを主要目的とするILOにおいても,いま,情報化の進行が世界の人びとの労働・雇用領域においてどのような影響を及ぼすか,についての広範な,且つ精力的な調査研究が行われている.本稿においては,ILOは情報化の進展が労働の世界にどのような影響を与えていると捉えているか,情報通信技術の進展に伴って発生する問題に対してILOはどのような政策を提言しているか,を中心にして報告を行う.ILOの『世界雇用報告2001』は,「情報経済社会における労働事情」を副題に,情報通信技術の発達が労働の世界におよぼす影響に関して非常に幅広い調査研究結果を発表している.なかでも特に私が注目したのは,情報通信技術の進展によって生みだされるデジタル格差についての分析の部分である.ILOは二つの大きなデジタル格差問題-先進国途上国間デジタル・デバイド,デジタル男女格差-について詳細に吟味している.ILOの研究は,情報化の進展をグローバルにみた場合,情報通信技術はグローバルな不平等,とくに裕福な国と貧しい国との間の豊かさのギャップをさらに拡大する懸念があると警告を発し,開発と貧困緩和のための戦略を提示している.また,ILOは,情報通信技術がとくに男女間の教育ギャップに相関して女性の雇用機会に大きく影響を及ぼしていることを論じている.そして,ILOは,情報通信技術の発達によって技能と訓練のレベルが高くなる必要性から,女性たちに不利になるといった,強いバイアスをもたらしてしまうかもしれないと見ている.こうした中で,ILOはデジタル時代におけるディーセント・ワークの確保に向けた政策を提言している.そして,本稿第3節において私は,情報通信技術の進展がつくりだすデジタル男女格差の問題に対して,情報化の現象の中に既存のジェンダー格差関係が投影されるのだから,情報化に投影されるジェンダー関係の問い直しや改善が進められなければ,男女に平等な情報化は実現しえないだろうと述べている.}, pages = {25--43}, title = {情報通信技術の進展とデジタル格差問題 : ILO報告を中心にして}, volume = {1}, year = {2003}, yomi = {イノウエ, ケイジ} }